GoogleやAppleが音楽の定額サービスを開始したように、今年は定額サービス元年と言われています。
そんな中で異彩を放つ定額ワード、定額働かせ放題。
定額働かせ放題という言葉を見ただけでその意味は想像がつくでしょうけど、スマホの定額かけ放題やネット回線の定額つなぎ放題のような聞き慣れた他の言葉とは違ってもの凄く黒いものが見える言葉ですね。
定額働かせ放題とは?
定額働かせ放題とはその言葉とおり、企業が従業員を好きなだけ働かせられることを指していて、企業側の視点で書かれた言葉とは裏腹に、残業代ゼロ法案を受けての皮肉たっぷりな労働者目線の言葉です。
今でもブラック企業を始めとして、残業代を支払わずに従業員を酷使する企業は決して少なくありませんが、残業代ゼロ法案によって正式に残業代を支払う必要がなくなる点が波紋を広げているわけですね。
で、定額働かせ放題を批判しているのは誰?
定額働かせ放題を批判しているのがただの一般ネットユーザーだけでなく、大手マスコミがこぞって批判しているのですが。
彼らも大半がロクに残業手当も支給されずに長時間労働を強いられていますよね。つまり既に定額働かせ放題として社畜化している方たちが、自分の境遇に気が付かないで定額働かせ放題を批判しているという笑えない現実が見えてきます。
もちろん無給で労働を強制されるのは問題ですが、そもそもそれは本当に”強制”されているのでしょうか?
古い日本の習慣が定額働かせ放題を導入している
今に始まった話ではなく、昔から日本の会社員というのは会社にフルコミットして働いてきました。ただその代わりに終身雇用が保障され、退職金が貰えたわけですね。
定年まで我慢すれば老後は安心、という契約です。
それが近年では終身雇用自体が保障されなくなったことで、昔と同じように会社にフルコミットしたら使い捨てられて終わりというリスクが高まっています。
そんな中での定額働かせ放題ときたら、労働者としては受け入れ難いのでしょう。
仮に終身雇用によって老後が保障されたとしても、僕はそんな先送りの人生は絶対に嫌ですし、年老いてから自由になってどうするの?と思っていまいますが。
選択肢はたくさんある
サラリーマンは本当によく働くと思います。
そして一定数の優秀な方が、よくこれだけ低い給料と引き換えに会社に対してフルコミットするな、と思います。
多くの方が今の会社に対して、給料が少ないとか労働時間が長いとか、不満を抱えながら働き続けていますが、嫌なら辞めるという選択肢を忘れないでいただきたいところ。
日本の文化として、不利な条件下では仕事を続けないというスタンスが根付けばブラック企業は人材不足で淘汰されるわけで、イヤイヤ働き続ける日本人がブラック企業を生き長らえさせていると言えるのではないでしょうか。
つまり定額働かせ放題というのも、なんだかんだでそこに留まって働き続ける人たちによって生まれてしまうのだと思います。
会社なんて辞めてもなんとかやっていけますから。
過労死してしまっては意味がないので、体や心がヤラれそうなのであれば思い切って辞めてみるもの悪くないのです。
定額働かせ放題が問題なのではなく、死ぬまで働いてしまう文化自体がおかしいという事を理解して行動に移す人が少ないことが問題なのではないかと思います。
どうか広い視野を持って、自由な選択をしてください。