ようやく”複業”がスタンダードな時代になってきました。
副業禁止という就業規則を定める企業が大半という日本の労働環境は時代遅れです。
企業が副業禁止を頑なに変えようとしない表向きの理由は「副業に取り組むことで本業へ悪い影響が出る可能性があるから」とされているわけですが、自社の社員が副業で稼げるようになって脱サラしてしまうことを恐れているのが本音でしょう。
しかし副業禁止によって社員も企業も実は損しているというのが実態です。
副業禁止を謳うことによる抑止力の低さ
そもそも会社からの副業禁止という制約を受ける会社員の反応は
1.隠れて副業に取り組む(オススメ!)
2.副業に取り組まない(但し、副業禁止でなくても取り組まない)
という2つの反応に分かれます。
自分で稼ごうと考える方は副業禁止の会社にバレないように稼ぐ方法を調べ、ポイントさえ抑えておけばバレないことに気づいて副業に取り組みます(「副業サラリーマンが会社にばれないために注意すべき2つのパターン」参照)。
そして起業家向きの方なら副業で取り組めるビジネスを、サラリーマン思考に染まりきっている方はアルバイトなど会社以外から給料を貰う道を模索するでしょう。
これだけ副業に関する情報が溢れていて、ネットで手軽に情報収集できる今の時代において、企業がいくら防ごうとしても社員を副業の情報から遠ざけることは難しいですよね。つまり副業禁止といったところで稼ぎたい方は稼ぐのです。
副業禁止と言われて素直に従いながら生きていく方は仮に今日から自由に副業に取り組んでも良いと言われたところで何も変わらないタイプです。
もし副業をしたいけどやらないで、その理由を「会社は副業禁止だから。」と説明している方がいるなら、それはやらない理由として都合良く使っているだけでしょう。
残念ながら学歴や大企業の正社員というステータスが評価されるおかしな日本社会の価値観を素直に受け入れてしまうような方は自分の力で稼ぐという発想がありません。
だからそのような方にとってはいかに良い会社に就職するか、いかに社内で出世するか、いかに定年まで安全に働くかが大事なのです。
もし副業に目覚めるとしたら周りのみんなも稼いでいるから・・・という環境になった時なのかもしれませんが、副業禁止の企業内で副業で稼いでいる方がそれを公表することはありません。
副業禁止によって成長機会を失う社員
副業禁止に関係なく副業に取り組んで稼ぐ方は、副業ビジネスが軌道にのると脱サラしていきます。
これは会社の給料に頼る必要がなくなったことはもちろんですが、副業禁止の会社で隠れてビジネスを行うことに対する居心地の悪さによるところも大きいでしょう。
そして企業が抱える人材は自分でビジネスを行うこととは無縁の社員率が高まっていくわけですが。
会社の中でどんな仕事をしていようと、自分でビジネスを行う貴重な経験の変わりになるものはありません。
この成長機会を与えないようにすると社員が成長しないのは当然です。
経営者が社員に対して自分と同じ意識レベルで働いて欲しいと期待してもそれは難しく、経営視点を理解してもらうためには自分でビジネスを行う経験をさせることが手っ取り早い方法なのです。
副業でビジネスを行えば社員自身に利益やコストをはじめとする数字をリアルに感じることが出来るので、会社でも経営者が言いたいことを理解しやすくなります。
そうすることで、悪意のある社員はともかく、各個人のコスト意識が高まって無駄なコストを垂れ流さないようになるなどの改善も見込めるでしょう。
副業禁止は誰もが損するだけの就業規則
以上のことから副業禁止によって、副業で稼ぐ社員は隠れて稼ぎ、いずれ脱サラします。
企業内には経営視点を持てない方の比率が高まります。
もし企業が副業禁止をやめて推奨したらどうでしょう?
副業で稼ぐ社員はなんだかんだで定期収入が確保できる会社に在籍したまま副業で収入アップさせるという選択肢が増えますし、これを選択する方も少なくないでしょう。
僕は稼ぐ力を身につけたらいずれは脱サラして(「脱サラ成功を目指すサラリーマンが変えるべきパラダイム」参照)、自分の貴重な時間を確保することをオススメしていますが。
副業で稼いでいる方の情報が社内の身近なところで頻繁に耳にするようになれば、「自分もやってみようかな・・・」と考えてビジネスを始める方も増えていき、ビジネス経験を積んで成長していきます。
企業にとっては稼ぐ力がある社員の流出を減らし、ビジネス経験を積んだ社員が増えます。
このように社員にとっても企業にとっても、副業禁止のメリットは何もないというのが僕の考え方なのですが、いかがでしょう?
個人の自由な選択ができる今の時代において、勝手な都合で拘束すること自体がもはや時代に合っていないのです。
そしてこれからの時代を生き抜くという点で、本業や副業という枠組みで考えるのではなく、複業が当たり前という考え方にシフトして複数の収入源を確保することをオススメします。